第39回正論大賞に江崎道朗氏 新風賞は阿古智子氏、特別功労賞に田久保忠衛氏

 フジサンケイグループは、今年の正論大賞の選考委員会を開き、自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた言論活動に対して贈られる第39回正論大賞に、麗澤大学客員教授で情報史学研究家の江崎道朗氏(61)が決まりました。新進気鋭の言論人が対象の第24回正論新風賞には、東京大学教授の阿古智子氏(52)が選出。このほか長年の言論活動でわが国の世論形成に多大な貢献をしたことをたたえ、杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏(90)に特別功労賞が贈呈されます。

江崎道朗氏
江崎道朗氏

 江崎氏は、外交(Diplomacy)、情報(Intelligence)、軍事(Military)、経済(Economy)の4要素の英語の頭文字をとった「DIME」が国家安全保障の基本戦略であるとして評論活動を展開。日本を取り巻く安全保障環境が変化し、日米同盟が深化しつつあることを的確にとらえ、誇りある独立国家への道を切り開くことを主張する論調が正論大賞にふさわしいとされました。
 阿古氏は、中国を現実的な視点から分析し、中国共産党政権におもねることなく日本のとるべき対応について訴えてきたことが評価されました。

 正論大賞の正賞としてブロンズ彫刻「飛翔」(御正進氏制作)、新風賞は同「ソナチネ」(小堤良一氏制作)、特別功労賞は記念の盾が贈られます。
 贈呈式は来年3月7日(木)、東京都内で開催予定です。

【受賞者略歴】
・江崎道朗(えざき・みちお)
 1962年東京都生まれ。九州大学卒。石原慎太郎氏の政策担当秘書など複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究を行う。2016年から評論活動を本格的に開始。18年12月から産経新聞「正論」欄の執筆メンバー、19年に第20回正論新風賞を受賞。民間シンクタンク「国家基本問題研究所」企画委員。

・阿古智子(あこ・ともこ)
 1971年大阪府生まれ。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系大学院博士課程修了。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授、東京大学大学院総合文化研究科准教授などを経て、2020年から同科教授。21年9月から産経新聞「正論」欄の執筆メンバー。22年から現代中国学会理事長。専門は社会学、中国研究。

阿古智子氏
阿古智子氏

・田久保忠衛(たくぼ・ただえ)
 1933年千葉県生まれ。56年早稲田大学法学部卒、時事通信社入社。ワシントン支局長、外信部長、編集局次長兼解説委員などを経て、84年杏林大学社会科学部教授。85年3月から産経新聞「正論」欄の執筆メンバー。96年に第12回正論大賞を受賞。2010年から同大学名誉教授。民間シンクタンク「国家基本問題研究所」副理事長。日本会議会長。90歳。

田久保忠衛氏
田久保忠衛氏