産経新聞新連載小説 4月開始 吉田修一さん 「罪名、一万年愛す」

 「悪人」「横道世之介」など数々のベストセラー作品を生み出してきた作家、吉田修一さん(55)の新連載小説「罪名、一万年愛す」が産経新聞朝刊で4月1日(月)から始まります。長崎県にある風光明媚(めいび)な孤島を舞台にしたミステリータッチの小説です。吉田さんにとっては8回目の新聞連載小説で、毎日掲載されます。

 長崎県の北西部に浮かぶ群島、九十九島。そのうちの一つ、戦後にデパート王として財を築いた富豪が所有する孤島で物語は織りなされていきます。
 富豪の米寿を祝うために島に集まった裕福な一族と、ある依頼を受けた私立探偵や迷宮入りした事件の真相を探る元刑事らの姿が交錯し、物語は予想もしない展開をたどります。主な舞台となる長崎県は吉田さんの出身地でもあります。
 挿絵は画家の大前純史さんが担当します。連載小説にご期待ください。

【プロフィル】吉田修一(よしだ・しゅういち)
 1968年、長崎県生まれ。法政大卒。97年に作家デビュー。2002年に『パレード』で山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で芥川賞。07年には『悪人』で大佛次郎賞などを受賞。『横道世之介』で柴田錬三郎賞、『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞などをそれぞれ受けた。16年から芥川賞選考委員。今年8月には自作『愛に乱暴』の映画が全国公開される予定。

吉田修一さん

■吉田修一さんの話
 「読者の反響が大きい新聞連載は作家としての喜びを感じられる場。今までの作品とは違う文体や手法に挑戦して、最終的には大きな人間愛について描きたい。『この話はどこへ行き着くのだろう?』と想像しながら、一日一日、楽しんで読んでいただけたらうれしいです」